雷による住宅や家財の損害は火災保険で補償される?補償内容を解説

雷による火災保険申請の対象範囲

雷で住宅や家財に損害が生じて困っていませんか。このようなときに気になるのが、火災保険の補償内容です。

このページでは、雷で住宅などに損害が生じた場合、火災保険から保険金が支払われるかどうかを解説しています。さらに、保険金請求の期限、保険金請求の方法も紹介しています。火災保険の保険金を請求したいと考えている方は参考にしてください。

雷による火災保険申請の対象範囲

雷で生じた損害は火災保険の補償対象になるのでしょうか。

火災保険は落雷による損害も補償

火災保険は、火災による損害のほか落雷による損害も補償の対象としています。落雷で住宅や家財に損害が生じた場合、火災保険から保険金が支払われる可能性があります

具体的には、雷が落ちて建物が燃えてしまった、雷が落ちて屋根に穴が開いてしまった、雷が落ちて過電流によりテレビが壊れてしまったなどの場合に保険金が支払われる可能性があります。

出典:一般社団法人日本損害保険協会:火災保険_

補償対象は火災保険で異なる

ただし、補償の対象となる損害は火災保険で異なります。落雷補償は火災補償、破裂・爆発補償と同じく基本補償に含まれていることが多いですが、補償の対象から外せる火災保険もあります。落雷補償をセットしていない場合、雷で建物や家財が損害を受けても補償は受けられません。

保険の対象にも注意

火災保険は、契約時に設定した保険の対象に損害が生じたときに保険金が支払われる保険です。保険の対象は、「建物」と「家財」にわかれます。「建物」と「家財」を保険の対象にしている場合、どちらに損害が生じても補償を受けられます。
「建物のみ」あるいは「家財のみ」を保険の対象にしている場合、保険の対象から外している側に損害が生じても補償は受けられません。落雷による損害に対し保険金を請求したい方は、保険の対象も確認しておきましょう。

保険金の申請期限

保険金の申請期限

火災保険の保険金を請求できる期間は3年です。保険法第95条で、保険給付を請求する権利は権利を行使できるときから3年間行使しないことで時効により消滅すると定められています。3年間で消滅する理由は、時間の経過とともに事故と損害の因果関係を調べることが難しくなるからです。

また、保険法第14条と第79条で、契約者などは保険事故による損害や給付事由が生じたことを知ったときに、保険者へ速やかに通知しなければならないことも定められています。保険金を請求できる期限は3年ですが、損害などを知ったときは速やかに通知しなければなりません。

保険金の申請方法

火災保険金の申請は、自分で行うことと申請代行業者に依頼することで行えます。メリット・デメリット、手続きの流れは異なるので、違いを理解しておきましょう。

自分で申請する方法

自分で申請する方法

自分で申請する場合、手続きは以下の流れで進めます。

申請の流れ

  1. 保険会社の窓口で落雷による損害が生じたことを連絡。
  2. 保険会社が保険金請求に必要な書類を送付。
  3. 2の書類を作成し、保険会社へ提出。
  4. 保険会社が損害状況を調査。
  5. 保険会社が提出書類と調査結果などをもとに審査。
  6. 保険金の支払い。

1.では、契約者の氏名、保険証券番号、事故の場所・日時などの情報が必要になります。

3.で提出する書類はケースで異なりますが、「保険金請求書(保険会社指定)、罹災証明書、事故状況報告書、修理見積書、損害状況がわかる写真や画像データ」などの提出を求められることが一般的です。

メリットは費用が掛からないこと

自分で申請するメリットは、すべての手続きを自分で行うので費用が掛からないことです。保険金の全額を手元に残すことができます。

デメリットは保険金請求に漏れが生じやすいこと

自分で申請するデメリットは、損害状況を把握しづらいので保険金請求に漏れが生じる恐れがあることです。修理費用の見積書は基本的に業者が作成しますが、業者選びを間違えると適正な見積書を作成できないことがあります。
また、さまざまな手続きを自分で行わなければならないので、申請から保険金受給まで時間がかかってしまいます。専門的な知識がないと、やや難しいといえるかもしれません。

申請代行業者に依頼する方法

申請代行業者に依頼する方法

申請代行業者に依頼する場合、以下の流れで手続きを進めます。

申請の流れ

  1. 申請代行業者の窓口で依頼。
  2. 申請代行業者の担当者が現場を調査し保険金を請求できるか判断。
  3. 保険金を請求できる場合は、契約者が保険会社へ落雷で損害が生じたことを報告。
  4. 保険会社が保険金請求に必要な書類を送付。
  5. 契約者と申請代行業者で保険金請求に必要な書類を作成し提出。
  6. 保険会社が損害状況を調査。
  7. 保険会社が提出書類と調査結果をもとに審査。
  8. 保険金の支払い。
  9. 申請代行業者へ手数料の支払い。

※申請の流れ、サービス内容は申請代行業者により異なることがあります。

保険金請求書、事故状況報告書は契約者が、修理費用の見積書、損害状況がわかる写真や画像データは申請代行業者が作成することが多いようです。いずれにせよ、全般的なサポートを受けられます。

メリットは損害状況を正確に把握できること

申請代行業者に依頼するメリットは、損害状況を正確に把握できることです。申請業務のプロなので、損害を見逃すことなく確実に保険金請求につなげてくれます。また、全般的なサポートを受けられるので、申請から保険金受給までの期間を短縮しやすい点も魅力です。スピード、確実性に優れるので、保険金請求に慣れていない方に適しています。

デメリットは費用が掛かること

デメリットは、ある程度の費用が掛かることです。ただし、多くの業者が成功報酬制を採用しています。そのため、保険金が支払われない場合は、費用が掛からないことが一般的です。また、保険金を受け取ってから費用を支払うので、手元のお金が減ることもありません

雷による見舞金の目安

雷による見舞金の目安

最後に、雷で住宅や家具に損害が生じた場合に受け取れる保険金の目安を紹介します。

ケース1:落雷でテレビなどが故障

落雷でテレビとBlu-Rayレコーダーが故障したケースで保険金が支払われています。損害額は家財7万円です。この損害に対し、落雷による損害保険金(家財)として7万円、臨時費用保険金として2万円、合計9万円が支払われています。

ケース2:落雷でパソコンが故障

落雷でパソコン2台が故障したケースで保険金が支払われています。損害額は家財20万円です。この損害に対し、落雷による損害保険金(家財)として20万円、臨時費用保険金として6万円が支払われています。

ケース3:落雷で給湯器などが故障

落雷で給湯器ユニット、配電盤などが故障したケースで保険金が支払われています。損害額は建物40万円です。この損害に対して、落雷による損害保険金(建物)として、40万円が支払われています。

落雷による損害は火災保険で対応可能|申請代行業者で相談を

落雷による損害は火災保険で対応可能|申請代行業者で相談を

落雷で生じた住宅や家財の損害は、火災保険で対応できます。何かしらの損害が生じている方は、申請手続きを始めるとよいでしょう。

申請手続きでは、損害状況を正確に見極める必要があります。慣れていない方は、申請代行業者へ相談してみてはいかがでしょうか。豊富な経験と専門的な知識で、申請手続きをサポートしてくれます。

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