火災保険はいつから、いつまで申請できる?

火災保険の申請期限は3年

火災保険は火事による被害を補償するための保険商品です。加入の際はどのような契約内容であるかを細かく確認し、申請期限や補償特約についてもしっかりとチェックすることが大切です。

ここでは、火災保険の申請期限や解約後の申請、臨時費用補償特約などについて詳しく紹介します。

火災保険の申請期限は3年

火災保険は出火・延焼などによって損害や事故が発生した直後に申請を行いますが、期限内であればいつでも保険金の申請が可能。期限は、事故や損害を受けた日から3年間となっています。

3年という期限については、法務省が平成22年4月1日より施行した「保険法」という法律に定められています。被害者が保険金を請求する権利は3年間であり、3年以内であれば生活が落ち着いたタイミングで期間をさかのぼって申請することができますが、期限をすぎると「時効」になり請求権は消滅してしまいます。

火災保険解約後でも申請は可能

火災保険は一度解約した後でも申請することができます。保険契約を続けていたけれど事情によって解約し、他の保険会社に移った場合でも、原則3年前までであれば保険金の申請が可能です。

失火による被害を家財道具に受けたAさんの例

Aさんはある日不注意でストーブからカーペットや毛布に引火し、壁の一部も燃えてしまい合計100万円ほどの損害を出しました。消火から生活再建までの期間は非常に慌ただしく、保険金申請を行うゆとりがなく自費で修理を行い、生活が落ち着いたころには火災保険を不要として解約してしまいました。しかしその後、保険金の申請ができることを知人から知らされたため契約内容を確認。3年の申請期限を過ぎていなかったため解約済みの保険会社に再申請を行ったところ受理され、保険金の支払いが行われました。

火災保険の臨時費用補償特約(見舞金)とは?

火災保険の臨時費用補償特約(見舞金)とは?

火災保険には、見舞金と呼ばれる臨時費用補償特約が付帯できます。これは火災や台風などの被害を受けた際にもらえるお金のことで、損害保険金の支払いまでに臨時の出費がかさむことを踏まえて付帯するものです。損害保険金の金額に対し、10%~30%の割合で加算がされ、損害保険金の金額が確定した後に支払われます。

たとえばトータル100万円の損害保険金が支払われるケースでは、10万円~30万円程度の見舞金が追加で支払われます。見舞金の使い道に特に制限はないので、修繕費用・家財の買い直し・家屋修理中の宿泊費など多用途に使うことができます。

損害保険金と費用保険金の違いとは?

火災保険の損害保険金は火災によって受けた損害を直接補償するための保険金ですが、費用保険金とは緊急的な事態に対応するための費用として使うお金です。以下に、火災保険に活用されている費用保険金を5つ紹介します。

名称 補償内容
臨時費用保険金 家屋修繕中のホテルへの宿泊費などに使われるお金で、建物や家財道具の修繕費用と別にかかる出費を補償する
地震火災費用保険金 地震・噴火またはこれらを原因とする津波によって火災が起き、建物や家財道具に半焼以上の被害を受けた場合に補償される
失火見舞い費用保険金 居住者が原因となる火事の延焼によって隣人などの第三者に損害を与えた場合、相手に渡すための見舞金
残存物取片づけ費用保険金 火災によって焼け残った木材やがれきなどを撤去するためにかかる費用を補償する保険金
損害防止費用保険金 火災の発生や延焼を防止するために消火設備などを用意する場合にかかった費用を補償する保険金

費用保険金は火災保険だけではカバーできない出費を補償するもので、特約として付帯しておけば復旧にかかるさまざまな出費をまかなうことができます。近隣への見舞金も補償されるので、復旧までの期間を安心して過ごすことができます。

火災や台風の被害でもらえる見舞金の相場

火災や台風の被害でもらえる見舞金の相場

火災保険の臨時費用補償保険金(見舞金)は、プランや加入条件によって異なりますが、火災保険金の10%~30%程度が支払われます。

たとえば火災によって損害を受けたとき、損害保険金が27万円であったとして、臨時費用補償保険金が10%の場合は2.7万円となり、合計で29.7万円の保険金が支払われます。不慮の事故として起きた火災によって一部に損害を受け、3万円の修理費がかかった場合の見舞金は、30%の場合9,000円となります。

保険商品によっては10%から30%まで補償の範囲を設定できますが、限度額も100万円~300万円程度と決められているため、各社の補償内容や金額を比較して加入を検討してください。

地震関連の被害でもらえる見舞金の相場

地震被害を受けた際に保険会社からもらえる見舞金には「地震火災費用保険金」があります。保険金の額は通常、火災保険金の5%かつ300万円を上限とし、損害状況は補償の対象となる建物と家財のそれぞれについて判定され、金額が算出されます。

たとえば火災保険金が30万円であった場合、その5%が地震火災費用保険金となるので15,000円が見舞金として支払われる計算になります。

火災保険の損害保険金はいつ支払われる?

火災保険の損害保険金はいつ支払われる?

火災保険の損害保険金は、保険法により請求手続きが完了した日を含めて原則30日以内に行われると定められています。ただし現場での調査や確認が必要になったときはこの限りではありません。

保険金の請求は、保険会社に「事故報告」を入れるところから始まります。被害状況のヒアリングと必要書類の収集・記載・提出を済ませると、正式に調査が行われ支払金額が決定します。ただし、大地震や大規模土砂災害被害のように、広範囲にわたる災害が発生した場合は、現場での確認と鑑定に2ヶ月を要するケースもみられます。

誰もが罹災している状況では保険鑑定までに時間を要する可能性が高く、事故報告や書類の提出が遅れるほど損害保険金を受け取るタイミングがずれ込んでしまいます。保険金が手元に入らないために住宅や家財道具の修理・買い替えにかかる費用を実費で支払わなければならないなど、家計に大きな負担となるおそれも。できる限り早めに保険会社へ連絡するようにしましょう。

注意点として、保険会社では火災保険の契約約款に「請求期限」を定めている場合がほとんどです。3年以内の請求であれば申請は通るとしているものの、基本的に損害が発生してからすぐに連絡することを求めています。

火災保険はその場の被害状況から具体的な損害額を算出する保険商品ですから、時間が経つほど当時の状況が判断しづらくなり、保険金の支払いに支障をきたすおそれがあるのです。

補償内容や特約を活用して万が一に備える

補償内容や特約を活用して万が一に備える

火災はいつどこで発生するかわからない災害ですが、火災保険と特約をうまく組み合わせることで万が一の事態に備えられます。

請求期間や保険金の相場を把握したうえで実際の火災を想定し、各社のプランを比較しましょう。

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